【迷ったらこれ】子どもの英語教育、何から始める?「発音」を最優先すべき理由

「そろそろ子どもの英語教育を始めたいけど、何から手をつけたらいいんだろう?」

そう悩んでいませんか?

単語?文法?それとも、とにかく英会話スクールに通わせるべき?

たくさんの情報に触れるうちに、どこから手をつけたらいいか分からなくなってしまいますよね。

私たち保護者世代が学校で習った英語は、正直に言って「読み書き」が中心で、「発音」は二の次でした。だからこそ、単語や文法を先に教えるべきか、迷ってしまう気持ちはよく分かります。

しかし、現代の英語教育では、スタート地点が大きく変わっています。

結論からお伝えします。

子どもの英語教育で最も優先すべきは、単語や文法の暗記ではなく、「発音」の土台作りです。

私たち親世代が習わなかったからこそ、子どもには「音の土台」を! 初期は単語より「耳の育成」がすべてです。

この記事では、なぜ今「発音」を最優先すべきなのか、その具体的な3つの理由と、今日から家庭で始められる簡単なステップをご紹介します。

これを読めば、迷いなく子どもの英語学習のスタートを切れるはずです。

目次

なぜ「単語・文法」より「発音」が先か?将来役立つ3つの理由

多くの保護者が「英会話=単語力」と考えがちですが、特に言語を習得する脳が柔軟な幼少期には、発音(音の習得)がすべての土台になります。

理由1:発音できる音は「聞き取れる音」になるから

英語の発音練習は、単に「きれいな発音で話せる」ようになるためだけではありません。実は、発音のトレーニングこそが、最高のリスニング訓練になるのです。

日本語と英語は、使っている「音の周波数」や「口の動かし方」が大きく異なります。

自分が正確に発音できない音は、脳が「存在しない音」として認識しづらく、結果として聞き取りができません。

発音からリスニング力が伸びるステップ

  1. 発音する (口の動き、舌の位置を覚える)
  2. 発音した音を脳が正確に認識する
  3. 認識できた音がクリアに聞こえるようになる → ネイティブの会話も聞き取れる!

具体的の例:RとLの発音の違い

例えば、日本語では「ラリルレロ」と一種類の音で表現されることが多いですが、英語には舌を丸めて発音する /r/ の音と、舌先を歯の裏につけて発音する /l/ の音があります。

英語の音日本語で近い音違いのポイント
R (Right, light)日本語の「ラ」とは別舌を丸め、どこにも触れさせずに発音する
L (Light, right)日本語の「ラ」に近い舌先を上の歯の裏(歯茎)につけて発音する

早期にこの二つの音の違いを認識し、口の動きを覚えることで、「right(右、正しい)」と「light(光)」のような、たった一音の違いも正確に聞き分けられるようになり、誤解を防ぎます。

カタカナ英語で単語を覚えてしまうと、後で「正しい音はこうだよ」と修正する「修正コスト」が発生し、学習効率が大幅にダウンします。

理由2:効率的な「読む力(フォニックス)」の土台になるから

子どもの英語学習で避けて通れないのが、文字と音を結びつけるフォニックス学習です。

先に正しい音を知っている子どもは、フォニックス学習の吸収率が段違いに高まります。

💡 そもそも「フォニックス」とは?

ここで、英語学習の重要なカギとなる「フォニックス」について詳しく解説します。

フォニックス(Phonics)とは「アルファベットが持つ音のルール」を学ぶ学習法です。

アルファベットの「A」は「エー」という名前(名称)を持っていますが、単語の中では「ア」という音(音価)を持っています。

フォニックスを学ぶことで、子どもはアルファベットの「名前」ではなく「音」を学びます。

アルファベット名称(Name)音価(Sound)フォニックスの例
Aエー/æ/(ア)bag(バッグ)
Pピー/p/(プッ)pig(ピッグ)
Hエイチ/h/(ハッ)hat(ハット)

なぜフォニックスが必要か?

英語は、日本語のように「ひらがな=そのままの音」というルールではありません。しかし、フォニックスのルールを知ることで、初めて見る単語でも、約7割が自力で音読できるようになると言われています。

これは、単語を暗記に頼らず、音の法則性で読めるようになることを意味します。発音の土台がしっかりしていると、このフォニックス学習が単なる暗記ではなく、「楽しい音のパズル」としてスムーズに習得できるのです。

例えば、bag(かばん)。文字はビー、エー、ジーだけど、音はブッ、ア、グです。この音を足すとバッグと読めるようになるわけです。

✅ 発音の土台がある子どもは単語学習がスムーズ

  • 音の法則性(フォニックス)が理解しやすい
  • 知らない単語も「音からスペル」を予測できる
  • 単語を音で覚えるため、忘れにくい

発音を先に習得することは、英語の「読む」「書く」の基礎を、最初から正しいレールに乗せてあげることを意味します。

理由3:発音の習得には「タイムリミット」があるから

単語や文法は、やる気さえあれば大人になってからでも努力で十分補うことができます。

しかし、発音(特に音を聞き分け、真似る能力)は、脳の柔軟性が非常に高い乳幼児期〜児童期に取り組むのが最も効果的であると言われています。

これは、言語を司る脳の機能の特性であり、「臨界期」として知られています。

💡 発音の臨界期はいつまで?

言語学や脳科学では、ある特定の時期を過ぎると、母語以外の言語をネイティブに近いレベルで習得することが難しくなる期間を**「臨界期(Critical Period)」**と呼んでいます。

特に英語の音(発音・リスニング)に関しては、この臨界期は以下の期間であるという研究が広く知られています。

  • 一般的に言われる期間: 約10歳〜12歳頃まで

脳が持つ、音を聞き分け、それに合わせて発音するための神経ネットワークの柔軟性は、思春期前(多くの場合10歳から12歳頃)を境に徐々に低下するとされています。この時期を過ぎると、発音に必要な「舌や口周りの筋肉の使い分け」や「日本語にはない音の聞き分け」が難しくなっていきます。

この「音の黄金期」を逃してしまうと、舌や口周りの筋肉が日本語仕様に固定されてしまい、習得難易度が格段に上がってしまうのです。

【発音ファーストのまとめ】

単語・文法:大人になってからでも努力で習得可能

発音・リスニングの土台:脳が柔軟な幼少期にインプットが必須

この黄金期を逃さないためにも、「発音」を最優先し、まずは「正しい英語の音」を大量にインプットすることから始めるべきなのです。

まず家庭でやるべきこと:発音の土台作り

「発音を最優先と言われても、親がネイティブ発音じゃないから心配…」

大丈夫です。親が完璧な発音でなくても、子どもは英語の土台を築くことができます。大切なのは、「大量の正しい英語の音」を聞かせ、真似る機会を与えることです。

今日から家庭で簡単にできる「発音の土台作り」のステップをご紹介します。

今日からできる3つの「音のインプット」

STEPやることポイント
STEP 1英語の歌・チャンツをBGMにする遊び時間や移動中など、常に英語の音を耳に入れる環境を作る(学習として意識させなくてOK)
STEP 2大げさに口を動かす真似っこ遊び英語特有の舌の動きや口の形を、遊び感覚で真似させる(鏡を見せるのも効果的!)
STEP 3英語絵本の読み聞かせを習慣化音声付きの絵本で、リズムやイントネーション(抑揚)を意識して聞く・真似る機会を作る

最初は、子どもが楽しんでいるかを最優先してください。遊びを通じて音に慣れ親しむことが、最高のスタートです。

まとめ:迷ったら「発音」から始めよう

子どもの英語教育のスタートで迷ったら、まず「発音(音のインプット)」を最優先しましょう。

発音を先に習得しておくことで、

  1. リスニング能力が飛躍的に向上する
  2. フォニックスや単語学習の効率が高まる
  3. 音の習得の黄金期を逃さずに済む

この土台作りは、将来、子どもがどんな英語学習をするにしても、最も強力な武器となります。

さあ、まずは英語の歌をかけて、親子で一緒に音を楽しむことから始めてみませんか?

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この記事を書いた人

主に英語カテゴリー担当のパパ。
英検準一級・TOEIC800点。
日本で英語を学び、家庭での英語との関わり方を実践中。
幼児〜小学生向けに、無理のない家庭英語を発信しています。

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